取締役や監査役の就任・退任・重任があったら、会社は役員変更登記をしなければなりません。司法書士に頼まず自分で完結させることは十分可能です。この記事は、変更事由の特定から法務局への申請完了まで、抜け漏れなく一本でたどれる全手順をまとめました。
まず「どの変更か」を特定する
役員変更登記は事由ごとに必要書類が変わります。最初に自社のケースを確定させましょう。
- 就任:新しく取締役・監査役を選任した。
- 重任:任期満了と同時に同じ人が再任された(任期満了=退任+就任が同日)。
- 辞任:本人の意思で任期途中に辞めた。
- 解任:株主総会の決議で役員を解いた。
- 退任:任期満了で退き、後任を置く/置かない。
- 氏名・住所変更:代表取締役の住所変更などは登記事項。
見落としやすいのが重任です。取締役の任期は原則2年(非公開会社は定款で最長10年)、監査役は原則4年(最長10年)。任期が満了していれば、同じ人が続けていても「重任」の登記が必要です。
期限は「2週間」。過ぎると過料
変更が生じた日(多くは株主総会の日)から2週間以内に本店所在地で登記しなければなりません(会社法915条1項)。怠ると、代表者個人に対して100万円以下の過料が科されることがあります(会社法976条)。「役員変更登記 自分で」進める最大の理由は、外注の段取りを待たずに自分のペースで期限に間に合わせられる点です。
登録免許税
| 区分 | 登録免許税 |
|---|---|
| 資本金1億円以下 | 10,000円 |
| 資本金1億円超 | 30,000円 |
1回の申請でまとめれば税額は1件分です。就任と重任など複数事由を同時に申請しても、原則この区分の額になります。
必要書類(就任・重任の代表例)
- 登記申請書(役員変更)
- 株主総会議事録(選任の決議。議事録の自動作成はこちら)
- 就任承諾書(就任する役員ごと)
- 本人確認証明書(取締役・監査役の就任時。住民票記載事項証明など)
- 印鑑証明書(代表取締役の就任時。取締役会非設置会社では取締役全員の場合あり)
- 代表取締役を選ぶ場合は取締役会議事録または株主の決定書
- 辞任なら辞任届、解任なら解任を決議した株主総会議事録
どの書類が要るかはケースで変わります。判断に迷ったら、上のシミュレータで自社のケースを入れると必要書類が出ます。
自分で進める5ステップ
- 事由と日付を確定:株主総会・取締役会の日付を押さえる。
- 議事録・承諾書を作成:記載漏れと押印に注意。
- 登記申請書を作成:登記の事由・登記すべき事項・登録免許税額を記載。
- 管轄の法務局へ提出:窓口・郵送・オンライン申請のいずれか。収入印紙または電子納付で登録免許税を納める。
- 完了確認:補正の連絡がなければ数日〜1週間ほどで完了。登記事項証明書で反映を確認。
よくある質問
任期満了でも続投なら登記は不要では?
必要です。任期満了の時点で一度退任し、同じ人が再任される「重任」も登記事項です。
1人で全部できますか?
就任・重任・辞任の単純なケースなら、書類さえ整えば自分で完結できます。種類株式が絡む複雑な選任や、定款の整合に不安がある場合は専門家への確認も選択肢です。